【謎】塗装後直ぐに剥がれや色褪せが‼塗料が塗膜になる過程で起こる不具合・施工問題編

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塗料が塗膜になる過程で起こる不具合とは⁉施工問題編
塗り替えが完成した直後には何ともなかった外壁、部分的に色が違っていることに気づき近づいて見たら、剥がれていた。
塗った時から一年も経っていないのに、何で我が家がこんなことに⁉
大丈夫なんだろうか‼
そして、こんな不安に駆られます。
直ぐに見に来てくれるんだろうか⁉
対応してくれるんだろうか⁉
保証してくれるんだろうか?
また足場を掛けてやり直すことになるんだろうか?
でも保証してくれても、工事したばっかりなのに、足場を掛けてるのお隣さんに不思議がられるのも嫌だなぁ~って
実際にこんな話も少なくありません。
こんな事が起こらないためにも知っておきたい知識があります。
ご紹介します。
塗料が塗膜になり設計通りの機能を発揮するためには⁉
塗料が設計通りの効果を発揮するには、機能分担する下塗り材~上塗りの組み合わせが大切です。
この組み合わせを塗装仕様(システム)と呼び、システム毎に耐久性などの機能が変わってきます。
住宅塗装の場合、ほとんどの仕様が3回塗りですが、塗装後には100μm程となり、その厚みによって10年以上の耐久性を発揮します。
ちなみに市販のサランラップが10μm、新聞紙が50μmほどです。
塗膜は100μmの厚みしか無いのにも係わらず外壁や屋根を外的要因から守っているのです。
塗装仕様(システム)、一般的な住宅用のものを塗膜になるまで見ていきましょう。
まずは下塗りです。
シーラー・フィラー・プライマーと呼ばれる塗料が使われます。
主に母材と密着させる役割があります。
母材とは、住宅塗装の場合、外壁や屋根の使用されている建材になります。
即ち下塗り塗料は、コンクリートや金属屋根、サイディングなどに塗布されるワケです。
例えば、木部やコンクリートは、素地から溶出物がでます。
ヤニなんかが分かりやすいですかね⁉
シーラーは、そのヤニをシールすると共に、母材表面を改質し、中塗り・上塗りが行えるようにします。
コンクリートの場合には、経年によって躯体にヘアクラックや不陸などが生じることがあります。
フィラーはヘアクラックや、僅かな穴を埋めると共に、表層を平滑にします。
金属の場合には、錆が発生します。
従来錆は、完全に取り去ることが望ましいです。
しかし、その工程を行うためには、多くの経費を必要とします。
錆の多少など条件がありますが、プライマーはその錆の上からでも塗ることができ、工期が短縮できます。
下塗り後、耐候性や耐汚染性などの機能を発揮する中塗り・上塗りを行って完成します。
母材は何かを下見し、既存の状態を見極めたうえで、どの下塗り塗料を使うのか判断する必要があるのです。
また、それぞれの塗料によって塗るための条件を守らなければなりません。
上記のことを守って、塗料が母材に密着し性能を発揮するのです。
塗料品質の問題、どのようなものがあるのか⁉
刷毛目・刷毛さばき |
刷毛塗りを行った際に生じる現象です。 この問題は、塗料の組成や使われた刷毛の種類にあります。 |
むら |
塗料が均一に塗布されないことで起こる現象です。 溶剤が適切に塗料に混ぜられてないことでも起き得ます。 シンナーの溶解力が低い場合だったり蒸発速度が速い場合に生じます。 |
たれ・だれ・たるみ・流れ |
垂直面に塗料を塗った時に、厚く付けすぎることで下方にたれることです。 この現象は、母材の温度、通風なども原因になります。 また希釈過剰によってもたれが発生しやすくなります。 |
膨れ |
塗膜の一部が母材と密着していない、また密着が弱いことで起こります。 また、塗膜下の錆の増加や乾燥不測の含水率が高い建材に塗装することで起こります。 塗料の組成、若しくは母材に誘因があります。 いずれも、外的要因によって引き起こされます。 |
剥がれ |
![]() また塗料間で起こる層間剥離があります。二度目の塗り替えの場合、下地の塗膜への処理の仕方でも変わってきます。活塗膜を生かす場合には、どこまでケレンが必要か判断しなければなりません。 |
なぜ塗料に不具合が発生するのか⁉
塗装後、間もなく塗膜が浮いてきたり、剥がれるといったことも実際に起きています。
なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか⁉
欠陥の要因はさまざまで、塗料自体の問題、保管の問題、塗装作業中の問題、温度湿度環境の問題などがあります。
今回は、塗料及び施工が原因で起こるものにスポットを当てています。
原因となりうることを見ていきましょう。
塗装の浮きや剥がれにはどんな原因があるのか⁉
塗装の浮きや剥がれの原因は経年劣化ではなく、下地処理や判断ミスによるものがほとんです。
例えば、こんなことが挙げられます。
☑ ケレン不足
☑ 下塗りの不足
☑ 乾燥の不足
☑ 希釈の不適切
具体的に解説していきます。
洗浄不足 |
![]() 既存の外壁や屋根には、長い時間と共に汚れやホコリが付着しています。 この汚れやホコリが残ったままっだと、例え塗装をしたとしても、部分的に密着が弱くなってしまいます。 そのため、耐用年数を迎えない間に不具合が発生してしまうのです。 |
ケレン作業 |
![]() 母材表面を塗装に適した状態にする必要があります。錆の除去、旧塗膜の除去、表面の素地調整・油分の除去などを行うことで、ようやく塗れるようになるのです。これが一つでも欠けてしまうと、後の不具合の原因になります。 |
乾燥の不足 |
![]() 下の絵具を侵し、少し固まった下の絵具がゴミのような状態で巻き込まれます。 早期の剥がれの原因になります。 |
希釈の不適切 |
![]() 塗膜の性能は決められた塗布量を守ってはじめて発揮されるのです。薄膜であることで早期の劣化に繋がります。 |
まとめ
いかがだったでしょうか⁉
塗膜をしっかりと形成させるためには、一つひとつの作業をしっかりと行うだけじゃなく、現場での判断も大切になります。
つまり、塗装を成功させるためには塗り手も大切であることが分かります。
どんな工事でも同じですが、職人の技量・知識によって仕上がりが変わるということです。
例えば、小柄の職人さんと大柄の職人さんでは体が違います。
当然ながら腕のリーチも変わってきます。
溶剤の揮発は待ってくれません。
樹脂は基本的に粘土が高く、溶剤に混ぜられてなければ蜂蜜のような状態です。
その状態になりつつある塗料は、上手く塗ろうと思ってもセッティングが上がっているためレベリングせず刷毛目がでてしまいます。
気温が高い時に、的確且つスピーディに塗ることができるかも職人さん次第なのです。
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