【完全版】シックハウス症候群かの確認方法と解決策一覧⁉まとめ

Contents
室内の空気汚染について
本記事では、シックハウスの原因や、その濃度の基準、原因となりうる材料とはどんなものなのか、原因とされる化学物質の測定方法、濃度を下げる方法やシックハウスにならないためにはどうすれば良いのかなどを紹介します!!

シックハウスって良く聞くけど、どんなことなんだろう!
何か、めまいや、頭痛・動悸・吐き気・脱力感におそわれるような症状がでるって、テレビで見たことあるんですよね。
あまり覚えてないんだけど、リフォームを考えているから詳しく知りたいんです!

そっか~リフォームねー‼
だったら、やっぱり知識を入れておく必要があるね!
シックハウスは天然素材ばかりで建てられていた伝統工法が一般的だった時代には聞くことが無かったのに『新建材』といわれる、化学物質を素材として使用した材料が普及するようになってから騒がれるようになったんだ!
新建材以外にも原因はあって、ストーブの排気ガスなんかも含まれるんだよ。
ダニや花粉アレルギーを持っていると、化学物質が誘発して更に症状を悪化させてしまうって言われてるんだ。

えっ~弟たちやペットがいるから、困るわ!

そうだよね!
子供たちには安全・安心な我が家で過ごしてほしいもんね~‼
こういったことは、大人が気遣ってあげなきゃいけないと思うんだ!
☑ 実際に家が原因なのか?
☑ どうやったら対策できるのか?
☑ 原因物質を減らす方法なんかも知っているといいかもね!
また公共工事で行っている対策方法も掲載!
実際に、シックハウス検査とかして、しっかりと対策しているから参考になるかもしれないね。
どのような対策を行っているかお伝えするよ!!
いざっていう時のために、シックハウスの計測~対策まで理解しといた方が良いもんね!
シックハウス症候群とは!?

ここで、今一度シックハウス症候群について詳しく説明します。
シックハウス症候群は住まいなどで起こる、倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などの症状があらわれる体調不良のことです。
物質が原因なのか、生活に使用しているものなのか曖昧であるため、医学的に確立した疾患とされず、住まいに由来するさざまな健康障害の総称としても用いられます。
生活の中で原因不明の頭痛や熱が発生した場合は、シックハウス症候群の可能性があります。
シックハウスの原因は、石油ストーブやガスストーブからの一酸化炭素や二酸化炭素、窒素酸化物、たばこの煙をはじめ、工事の際に使用された合板やボード類、接着剤、防腐材などからの化学物質によるものがあります。
詳しくは接着剤などに含まれるホルムアルデヒド等の有機溶剤、木材をシロアリなどの被害から守るために使われる防腐剤からの揮発性有機化合物などがあげられます。
合板やボード類などの新建材が一般的に使われるようになったのは、60年代で、そのころはまだ住宅に隙間が多く、室内が空気汚染しても自然な換気が行われていたと考えられています。
しかし、近年、住宅の気密性が高くなることで、化学物質が空気を汚染する問題が表面化します。
後に、建材とシックハウスの関連性が研究されるようになり、結果JAS規格の改正や建築基準によるシックハウス規制が講じられるようになりました。
規制は徐々に強化されていくことになります。

規制とは、ホルムアルデヒドの使用禁止や基準値以下の発散量にすることになります。
数値については、後ほど解説します。
新建材って、どんなもの!?
化学物質を発散する新建材とは、どのようなものがあるのでしょうか!?
また接着剤は、どこに使われているのかを解説します。
『新建材』の例/構造用合板

上記の写真は、構造用合板になりますが、層になっているのが分かるでしょうか!?
こういった部分に接着剤が使われているんです。
構造用合板、主に木造建築物の、壁下地材・床下地材・屋根下地材として用いられています。
木材の優れた特性を備えると共に欠点を製造技術によって補うことで、木材より強く、伸び縮みが少なく、幅広く利用できる材料に作り上げています。
その構造は厚さ毎に3プライ(3枚合わせ)以上~7プライ(7枚合わせ)以上となり、標準寸法として2.3mm、2.5mm、3mm、4mm、5.5mm、9mm、12mm、15mm、18mm、21mm、24mm、28mm、30mmなどがあります。
5プライ合板の場合を見てみましょう。
構造用合板の厚さ | プライ(層)数 |
15.0mm以上未満 | 3プライ(3枚合わせ)以上 |
15.0mm以上~18.0mm未満 | 4プライ(4枚合わせ)以上 |
18.0mm以上~24.0mm未満 | 5プライ(5枚合わせ)以上 |
24.0mm以上 | 7プライ(7枚合わせ)以上 |
表面は表板『フェイス』中板には添え心板『クロスバンド』心板『コアー』、裏面は裏板『バック』と呼ばれ、これら単板の、木理方向を縦、横交互に接着剤を用いて積層接着した建材です。
『新建材』の例/複合フローリング

上記の写真は、複合フローリングになります。
複合フローリングの中でもカラーフローリングと呼ばれるもので、賃貸物件や戸建て住宅にまで採用されている普及品です。
表面に数ミリの薄い化粧シートが貼ってあり、基板となる材には合板やボードが使われています。
フローリングは主に、無垢材である単層フローリングと複合フローリングに分類することができます。
それぞれに、表面の品質、含水率、接着の程度、用途に見合った強度、耐摩耗性能を日本農林規格(JAS)で定められています。
複合フローリングの場合、ホルムアルデヒド放散量によりF☆☆☆☆~F☆の表示で区分されます。
また、防虫処理等についても規定されています。
単層フローリングは木材をカット、一枚の板にして乾燥したものです。
一方の複合フローリングは、いくつもの加工を経たうえで作らたものになります。
合板のように無垢に近い材料で組み合わしたものや、木材のチップを接着剤で固め、そこにオレフィンシート(化粧シート)を張付けたものなどがあります。
単層フローリングでは成しえない機能を付加できることが特徴です。
それでは複合フローリングの構造を見てみましょう。
写真のフローリングは、表面の単板が3mm、台板には合板が使われています。
複合フローリングに見られる機能

複合フローリングをホルムアルデヒドの観点だけで見れば採用を躊躇する方もいると思いますが、性能や機能に優れていることも事実です。
複合フローリングの機能例 |
【寸法安定性】 |
無垢フローリングと比べ寸法安定性に優れます。 |
【耐摩耗性】 |
歩行の頻度が高くても擦り傷がつきにくいように加工がされています。 |
【防汚性】 |
中には、メンテナンスフリーフローリングもあります。ワックスがけが不要で、汚れやキズが付きにくいため、日ごろのお手入れが簡単です。 |
【耐水性】 |
水に強く、洗面や脱衣所にも使用されます |
住宅に使う建材は自然な物ばかりが理想かもしれませんが、価格などから現実的ではありません。上記は性能や機能の一部になりますが、他にもペット対策されたもの、足腰の負担や転倒時の危険を軽減したもの、車イスが利用できるもの、床暖用、防音、低ホルムアルデヒドなどがあります。
現場での塗装作業や接着作業を減らしてもらうことや、より安全な材料を使うようにしましょう。
シックハウス対策に関する取り組み(建築基準法やホルムアルデヒド等級制度)

シックハウス症候群にならないためにも押さえておきたい知識です。
建築基準法やホルムアルデヒド等級制度にみられるように室内における科学物質対策がすすめられてきました。
どのような等級制度があるのか把握しておきましょう。
JIS規格とJAS規格
平成15年、合板や複合フローリングなどのJAS規格が改正され、シックハウス症候群の主な原因物質であるホルムアルデヒドの放散量を抑えるために新たに厳しい基準が設けられました。
放散量はF☆~F☆☆☆☆の4区分の等級で表示され、基準に適合したものだけにJASマークが表示されます。
これによりJIS規格との統一が図られ、さらに、この放散性能等級区分に基づいて建築基準法によるシックハウス規制が講じられることになりました。
尚☆が多いものほど放散量が少なくなります。
日本工業規格(JIS)
JAS
■ JAS規格に定めるホルムアルデヒドの放散量基準
基準 | 平均値 | 最大値 |
F☆☆☆☆ | 0.3mg/l以下 | 0.4mg/l以下 |
F☆☆☆ | 0.5mg/l以下 | 0.7mg/l以下 |
F☆☆ | 1.5mg/l以下 | 2.1mg/l以下 |
F☆ | 5.0mg/l(3.0)以下 | 7.0mg/l(4.2)以下 |
※かっこは集成材の基準
■ 建築材料の区分
建築材料の区分 | ホルムアルデヒドの発散 | JAS,JISなどの表示記号 |
建築基準法の規制対象外 | 放散速度が 5μg/㎡h以下 |
非ホルムアルデヒド系 接着剤使用 F☆☆☆☆ |
第3種 ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
5~20μg/㎡h | F☆☆☆ |
第2種 ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
20~120μg/㎡h | F☆☆ |
第1種 ホルムアルデヒド 発散建築材料 |
120μg/㎡h超 | F☆、あるいは旧Fc2,E2又は表示なし |
※放散速度は、小型チャンバー法により確認された値で、1μg/㎡hは、建材1㎡につき1時間当たり1μgの化学物質が発散されることをいいます。
■ 居室の内装に使用する建築材料の使用制限
建築材料の種類 | 換気回数 0.5回/時以上 0.7回/時未満 |
換気回数 0.7回/時以上 |
非ホルムアルデヒド系接着剤使用 F☆☆☆☆相当の建材や無垢の木材等 |
制限なし | 制限なし |
F☆☆☆相当の建材 | 床面積の 2倍以内 |
床面積の 5倍以内 |
F☆☆相当の建材 | 床面積の 0.3倍以内 |
床面積の 0.8倍以内 |
F☆相当及びホルムアルデヒド放散に 関する表示のない建材 |
使用不可 | 使用不可 |
建築基準法による対策
建築基準法の改正で平成15年7月からシックハウス対策が義務化されました。
ホルムアルデヒド及びクロルピリホスの2つの化学物質が規制対象で、建築材料材毎の化学物質放散量によって使用が制限されます。
●ホルムアルデヒド、換気設備の規制
主に接着剤の原料として使われています。
合板やパーティクルボード、MDFなどが対象となります。
また、換気設備の義務付けられました。
住宅の場合には換気の回数0.5回/h以上の機械換気設備の設置が必要となります。(24時間換気)
●クロルピリホス
クロリピリホスを添加した建材は使用禁止になりました。
しろあり駆除剤・木材保存剤などが対象になります。
住宅性能表示制度
住宅性能表示制度とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく制度(品確法)の一つです。
さまざまな住宅の性能を分かりやすく表示する必要があり、整合性においては設計段階で性能を評価、建築工事の段階で検査をします。
評価は国の登録を受けた第三者機関が行います。
ホルムアルデヒド放散量を等級で表示することや、完成時の化学物質濃度の測定結果を表示する項目などがあります。
建築物衛生法による対策
事務所や店舗などの用途で一定規模以上の建築物に、ホルムアルデヒドの量の測定を義務付けています。
室内環境配慮マーク
家具などは、仕上げられていると、基材等にどのような材料が使われたのか解りません。
室内環境配慮マークはシックハウス対策のためホルムアルデヒドなどVOC (揮発性有機化合物) の発散を抑えた家具に貼られます。
合板、繊維板、パーティクルボードおよび接着剤が、F☆☆☆以上のもので、塗料はホルムアルデヒドを含まないものを使用しています。
その他の室内空気汚染の理由
空気の汚染はどのように起こっているのでしょうか?
原因は大まかに分けると2種類あり、室内で発生しているものと室外から流入してくるものがあります。
室内では、調理器具や暖房設備による一酸化炭素(CO)内装建材や家具などの接着剤から揮発するトルエンやホルムアルデヒド、シロアリ駆除剤から発生する有毒ガスなどがあります。
室外からは、排気ガスなどがあげられます。
これらは換気などで緩和できる場合があります。
しかし室内温度の上昇によって、発生量が増えることで空気汚染された状態が続き、気分が悪くなってしまう方も少なくありません。
そのような問題に、利用されているのが室内空気汚染対策商品や塗料です。
今回は、塗料についてご紹介します。
これって、シックハウスなの!?疑問の声
シックハウスは、何も我が家だけで起こるとは限りません。
☑ 実家に帰ったことで症状がでた。
☑ 会社で仕事をしていると、風邪のような症状がでた。
☑ 賃貸物件へ入居してから、めまいがする。
など、他の場所でも発症する可能性があります。
自宅への帰省
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いつも実家に帰省するとシックハウス症候群なのかな?と思う症状が出ます。
鼻水、目のかゆみ、喉の痛み、くしゃみ、関節痛、頭痛 などです。実家を出て8年ほどなりますが、大型連休の時だけ帰って一週間弱だけ過ごすような生活になっています。その時はもう初日から症状がでるほどです。
実家は建て替えて15年くらいなりますが実は、出る前に住んでる時は症状はあまり出なかったんです。
屋根裏部屋での作業
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10年前に立てた一戸建てです。
約10畳くらいの屋根裏部屋があって、作業に使っているのですが、長時間滞在すると頭痛がします。5~6年前は頭痛はもっと酷かったのですが、化学物質の濃度が薄まってきたのか、頭痛もだいぶ楽になりました。
シルラボというところで空気診断をしてもらったら、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドが基準値未満だが検出されたとのことです。
壁に集積材の合板を使用しているのと、天井がやはりベニヤ版がむき出しになっているのが原因かと思っています。
新居でシックハウス症候群!?
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賃貸で新居へ引っ越しました。
新築ではありませんが、リフォームされており、トイレ以外の壁紙、天井、フローリングシートなどが全て張り替えてあり、見た目にはとても綺麗で気に入り、入居したのですが、内見の時は短時間でそこまで気にならなかったのですが、住んでみると化学薬品的な匂いがキツく、特に脱衣所やキッチンまわりの壁紙がイヤな匂いで頭痛や目のチカチカ、肩こりや寒気、手足のしびれなどの症状が出て、耐えかねて実家へ避難しました。
あまりにも体調に影響が出るので怖くなり半月で退居を決めました。
冬ですがつねに換気をしていたところ、最近やっと匂いが薄くなり、以前ほど気分が悪くなる事も減りました。
しかし、これから気温が上がり、有害物質の揮発が激しくなるのでは?と思うと安心して暮らせません。
体調不良の原因が分からないが、シックハウスが疑わしい事例
☑ 実家に戻ったことで治ったと思ったが、住まいに戻り体調不良が再発した
☑ 1か月を家を離れると、症状がすっかり治った
一か月家を離れた
シックハウスを疑った訳は、最近自身と子供の病気入院で一カ月ほど家を離れたことです。
子供の看病や自身の病気でストレスは高いはずなのに、全ての症状がすっかり治り、肌も綺麗になりました。(薬は使用していません)治った‼と意気揚々と帰宅しましたが、5日ほど経つと…また症状が出始めました。
皮膚科に聞いても、「精神的なもの、もしくは産後の変化では」と言われました。
家を離れた時に改善されたことも伝えたのですが。
実家に帰ると体調が回復
当時新築のアパートに入ったのですが身体の調子が悪く、ボロ屋の実家に帰ると体調が回復します。
最近、リフォーム済みのアパートに引っ越したのですが、やはり身体の調子がよくありません。
気温が高いとホルムアルデヒドの発生が促進、発症の原因にも。
建材などの接着剤に含まれているホルムアルデヒドは暑い時期や、梅雨時になると発生が促進され、室内の濃度が高くなります。
春などの季節には、換気されていた室内も夏場、クーラの使用で締め切りにすることで空気汚染が進みます。
適度な換気が必要となります。
ホルムアルデヒドは、新築当初が、総量として一番多く発散されています。
年月とともに徐々に発散されていくため、発生濃度は低下していきます。
ここで時の経過によって、建材のホルムアルデヒドは消え去るのかと疑問が浮かぶと思います。
実際には、5年ほどといわれます。
(公財)日本合板検査会(暴露試験)より
ただ、人によって化学物質の感じ方が異なり、低濃度でも敏感に反応してしまうことがあります。
暴露が長期間に及ぶことで、シックハウス症候群を発症してしまう可能性があります。
体調が悪いと感じてから放置することなく、早めの対策をする必要があります。
シックハウスが心配なら化学物質の濃度を測定することもできます。
室内の空気汚染・シックハウス(ホルムアルデヒド・voc)の測定方法とは!?
換気や掃除を行っていても、症状が出る。
風邪でも病気でもなさそうなのに・・・
住まいが原因かも!?そういった時には、ホルムアルデヒドやVOCを測定する方法があります。
測定・分析を行うためには、サンプリングを行う必要があります。
サンプリング方法には、パッシブ法とアクティブ法があります。
パッシブ法はキットを購入し、測定後に分析してくれる専門家に送ります。
設置はご自身でも行うことができます。
一方のアクティブ法は、専門家を派遣してもらう必要があります。
測定方法の詳しい内容は以下の通りです。
■パッシブ法について
出典:https://www.kan-tec.co.jp/
パッシブ法は、24時間試料を吊り下げ、自然に採取します。
専門家に設置してもらう方法と自分で設置する方法があります。
自分で設置する場合にはサンプラーは、使用直前まで冷蔵庫にて保管する必要があります。
まず、測定対象となる部屋の家具の扉や、窓を開けて30分間換気をします。
換気が終了した後、開けた窓や扉を締め切り5時間以上の密閉状態にします。
その後サンプリングを行います。
■アクティブ法について
出典:https://www.hokukanken.jp/
アクティブ法は、専門家に依頼する必要があります。
VOC測定士という資格を有する専門者が行なうため、測定面からも信頼性が高いです
ただし、パッシブ法と異なり、測定が有料になるため、測定費用が高額になります。
吸引ポンプを用いて室内の一定量の空気を吸引、捕集管に採取しします。
公共工事におけるシックハウス測定とシックハウス対策
公共の建築物を新築や改築・改修する場合、建築基準法を守るだけでなく揮発性有機化合物等の発散量の少ない建材等を使用するだけでなく、換気量を確保した設計を行わなければならない
とされています。
使わなければならない建材はホルムアルデヒドの発散量の少ないF☆☆☆☆建材を使用するとともに、その他の揮発性有機化合物を含まない資材を使用することが定められています。
上記に記載したF☆☆☆☆とは、ホルムアルデヒドの発散量が下記において1㎡につき毎時0.05㎎以下に抑えている建材の事を言います。
また、作業後測定をしたうえで引き渡しを行うわけですが、もし基準値を超えていた場合は使用を中止し原因を調査したうえで、原因物質の除去や換気を十分に行うなどの対策を取ったうえで再度測定を行い基準値以下だった時に使用を再開することができます。
シックハウス対策にはどのようなものがあるのか?
シックハウス症候群にならないためには、また改善するにためにはどうしたらよいのでしょうか。
考え方として、以下の対策があげられます。(一例)
住まい方による対策
☑ ダニ対策・カビ対策を行う。
☑ 室内換気(換気不足の解消)
☑ 通風の確保
☑ 換気システムの活用
☑ 空気清浄機の活用
☑ 強制的に化学物資を追い出す(ベイクアウト)
発生源への対策
☑ 自然素材・VOC低減建材を使う
☑ 化学物質吸着材料・吸収材料を利用する
☑ 化学物質分解材料を使う
これらの対策を実践することが大切になります。
下記に対策一つひとつの意味合いを詳しく書いています。
住まい方の対策
ダニ・カビ対策
室内にはアレルギーの素になるアレルゲンが多くあります。
たんぱくを含むものは、何でもアレルゲンになると考えられ、その助長をするものが化学物質です。
つまり、ホルムアルデヒドなどの化学物質は、シックハウス症候群を発症させるだけでなくアレルギーを悪化・誘発させるものでもあります。
そのため、ダニやカビ対策も必要になります。
日常生活の中で、ダニ・カビの発生原因と思われる点を改善し、効果的なダニ・カビ対策を講じる必要があります。
室内換気
手軽にできて効果的なのが室内換気になります。
ホルムアルデヒドは何も建材だけが放散しているわけではありません。
カラーボックスや本・サンダルや靴、ジュータンも発生源となります。
室内換気されないままで長時間放置することで、化学物質の濃度があがります。
1日の仕事が終わり帰ると空気が悪いなーと感じるのは、空気汚染濃度が高くなっているからです。
室内の空気と外気を入れ替えることで、高くなった濃度を一気に下げることができます。
汚れた空気を排気するとともに新しい空気を取り入れましょう。
通風の確保
換気と同様に、室内空気と外気との入れ替えになりますが、通風は、風上・風下の窓を開けることで、外部に吹いている風を室内へと取り込みます。
この時、室内では風を感じる程度の気流が発生します。
人体からの熱放散を促進して体感温度を低下させたり、室内に蓄積された熱を除去する空気の流れになります。
窓ガラス付近の温度を室内中央部の温度と同じくらいにしたり、結露水を蒸発させることは、防カビ対策として有効です。
換気システムの活用
換気システムは、換気装置を利用することで、窓を開けなくても室内空気を入れ替えることができます。
結露、カビの増殖をおさえることができます。
この換気システム、2003年以降に建てられた住宅には必ず設置されています。
換気システムの種類
機械換気方式 | 特徴と用途 |
第1種換気設備![]() |
給気・排気共に機械を用います。 設置により室内の気流分布や圧力制御が容易で、充分な換気ができますが、設備費が高くなります。 |
第2種換気設備![]() |
機械給気と適当な自然排気口(開口)による換気 給気機で新鮮な空気を取り入れ、汚染した空気は排気口から自然排気する方式。 正圧になり室内の空気が外部にと漏れやすい。 |
第3種換気設備![]() |
適当な自然給気口と機械排気口による換気。 排気機で汚染空気を排出し、新鮮な空気は給気口から自然給気する方式。 負圧となり室内の空気が外部へと漏れにくい。 |
空気清浄機の活用
シックハウス対策に空気清浄機は果たして効果があるのでしょうか!?
清浄機の一部の商品は、ホルムアルデヒドなどシックハウスの原因となる物質を取り除いてくれるものがあります。
ただ、全ての物質を取り除けるわけではありません。
どのようなものが取り除けて、どのようなものが取り除けないのかは以下の通りです。
☑取り除くことができるもの
空気中に浮遊する目に見えない細かい粒子やにおい
花粉
PM2.5
ハウスダストなどの粒子
ペットの臭い
料理の際の臭い
アセトアルデヒド
アンモニア臭
ニコチン
etc
☑取り除けないもの
たばこの煙のガス成分
一酸化炭素
性能はメーカーの製品毎に異なります。
製品のパワーと、部屋の間取りを考慮しましょう。
注意点
空気清浄機では、シックハウス原因物質がすべて取り除ける訳ではありません。
あくまで補助的な役割として使用することを考えた方が良いです。
また、フィルター交換にも注意が必要です。
定期的な交換をおすすめします。
長期間フィルターを放置することによって、吸着した化学物質を再放散してまうケースがあり、その場合、室内の化学物質濃度を返って上昇させてしまいます。
家全体の空気を綺麗にしようと高性能な清浄機を何台設置しても、家の中で循環しているだけになります。
結局のところ、シックハウス対策に大切になるのが新鮮な空気を取り込むことです。
基本的には換気が必要なのです。
ベイクアウト法
ベイクアウトは化学物質を強制的に発生させ、換気によって少なくしていく方法です。
その方法は、原因対象物があるであろう空間に対して空調などで温度を強制的に上げます。
塗料に含まれている化学物質などは、温度が30~35度まで上がることで揮発が激しくなります。
この環境を再現し、化学物質の量を短期間で減らしてきます。
部屋の利用前に1週間から10日間程度のベイクアウトを行うことによって、化学物質の量を減らすことができることが分かっています。
注意点
ただし室温を上げすぎると、塗られている塗膜や化粧板などが剥離したり、反ったりすることがあるので注意が必要です。
建材の化学物質の放散量基準が厳しくなったことにより、ベイクアウトの効果が以前に比べ期待できなくなったそうです。
また、対象物が特定できていないと、効果が判断できません。
ベイクアウトの方法とは⁉
ベイクアウトはどのように行うのでしょうか?
手順としては、①窓を閉める→②家具の扉等を開ける→③室内温度を強制的に上げる→④放置→⑤換気になります。
手順 | 行動 | 説明 |
1 | 窓を閉める | 部屋の窓を閉め切ります。 |
2 | 準備 | 家具や机などの扉・引き出しを開けて空気に触れるようにします。 この際、接触面を多くしてください。 |
3 | 室内温度を上げる | 空調機器を用いて室内の温度を30~35度くらいまであげます。 この際、火災など起こさぬようストーブなどの取り扱いには充分に注意してください。 |
4 | 放置 | 半日以上放置することが望ましいです。 |
5 | 換気 | 揮発した化学物質を外に排出するため換気を行う、この際30分以上行うことが望ましいです。 |
ベイクアウト1回に要する時間は最低でも半日以上になります。
発生源への対策
自然素材・VOC低減建材を使う
出典:https://ecocarat.jp/
注文住宅の場合、建材から全てお客様の希望で自然素材を選択する事ができるのでシックハウス症候群になる可能性は少なくなりますが、戸建てやマンションの分譲の場合、なかなか自然素材を使う事は難しいです。
例えば、下記にも記載しますがエコカラットやISM壁紙といった建材はVOCを低減する効果に期待する事ができます。
化学物質吸着材料・吸収材料を利用する
出典:https://www.showa-hp.co.jp/index.html
化学物質吸着剤としては炭たったり珪藻土といったものの他にゼオライトやシリカゲルといった多孔質の吸着剤が挙げられます。
使用する場所が限られていますので住宅を設計する段階で組み込んでおく必要があります。
吸着型塗料『汚染物質吸着形塗料』
室内汚染物質を吸着することができる塗料です。
聚楽の壁をはじめとして、竹炭塗料などが利用されています。
塗料によって性能がことなるため、メーカなどで、その性能を聞きましょう。
タイガーハイクリンボード
吉野石膏が製造・販売しているタイガーハイクリンボードはシックハウスの原因のひとつでもあるホルムアルデヒドを低減させる下地壁材となっております。
タイガーハイクリンボードの特徴としてホルムアルデヒドを吸着後、無害な物質に分解するので再放出をさせないだけでなく、タイガーボード自体の耐火・遮音・耐力といったものにホルムアルデヒドを吸収分解する性能が追加されているのでとても優れた下地材なのではないでしょうか?
出典:https://yoshino-gypsum.com/haikurin/index.html
ハーモナイト(エージープラス)
出典:https://www.nagoya-mosaic.co.jp/
もともとはクリオンという会社でハーモナイトという商品で販売されていましたがいまから9年ほど前に販売を終了してしまいました。
しかし、名古屋モザイク工業という会社でエージプラスという商品に名前を変えて販売がされています。
ハーモナイトと物性や性能も同じで素材自体に有害物質が使われていないばかりか、有害物質を吸着する性能を持ち合わせているので、病院や老人介護施設・トイレ場所でも多く使われています。
出典:https://www.tokiwa-inc.jp/tokiwa5-8.htm
エコカラット
リクシルの商品でシックハウス対策をするならエコカラットになるでしょう。
内装材の仕上げで使われており、シックハウス症候群の原因とされているホルムアルデヒド等の有害な物質を原料に使っていないばかりか、室内の家具や建材から放出される汚染物質を吸着して濃度を低減させる効果があります
出典:https://ecocarat.jp/
ダイロートン 健康快適天井材 吸ホル天
出典:https://www.sooken.co.jp/
公共・商業施設の天井で多く採用されている大建工業のロックウール吸音板ダイロートン。
それだけなら全くシックハウスと関係ないんじゃないかと思われていますが、それ以外にも有害なホルムアルデヒドを吸着し化学的に分解・無害化する働きも持っています。
他の性能として防火性や断熱性・吸音性にも優れています
タイガーケンコート
タイガーシリーズでお馴染みの吉野石膏が製造・販売している内装用仕上げ材でもあるタイガーケンコートですが、色も豊富で26種類ありながらパターンも付ける事もできるので独自の内装デザインを作り上げる事ができます。
また、内装の仕上げ材として使用すると湿度をコントロールする事ができる調湿機能があるだけでなく、シックハウス症候群の原因となっているホルムアルデヒドを低減する効果もあります。和洋関係なく住居や店舗にも使用できます。
化学物質分解材料を使う
接着剤や建材には微量ですが化学物質が使われています。
一方で常に放出を続けている化学物質を分解するものがあります。
漆喰や珪藻土といった自然本来の材料を使った内装材が人気です。
それだけではなく、最近では光触媒を内装にコーティングしてホルムアルデヒドが分解できる事も実証されています。
光触媒塗料『汚染物質分解型塗料』
光触媒用の酸化チタンを利用した汚染物質分解型塗料です。
太陽光線が酸化チタンにあたることで、触媒が反応し、有機物などを分解します。
親水化をはじめ、OHラジカルが発生して物質の電子を奪います。
これからリフォームをお考えの方へ
シックハウス症候群と関係の深い化学物質は、呼吸器から入った場合、肺から血管へと流れてしまう可能性があり、その場合、体内を巡回し蓄積されます。
個人差がありますが、この摂取量が限界に達することでシックハウスが発症し、さらに重度になると化学物質過敏症になるといわれています。
だからこそ対策を講じる必要があります。
住宅で使用する建材は、自然素材をできるだけ使うことが望ましいのですが、実際にはコストの問題で簡単なことではありません。
放散量の少ない材料を使用したユニット製品などを使用することで、現場での湿式材の使用を減らすことができます。
現場で、どうしても塗料や防蟻剤を使用しなければならない場合、水性塗料など安全なものを使用してもらいましょう。
また、住居に作業中の空気を入れない、作業場の換気をしてもらうことも大切になります。
建築物の環境基準と室内環境汚染物質
日頃から私たちは住まいである住宅をはじめ、学校やオフィス・店舗など室内で多くの時間を過ごしています。
不快を感じない、快適な室内環境にするためには、室内の空気が重要です。
そのためには、空気を汚染させないことが大切です。
室内を換気せず閉ざしている状態で使用することで、空気中の酸素が減少し、逆に二酸化炭素が増加してしまいます。
衛生上で有害になるレベルと言うものがあり、この状態を空気汚染と呼びます。
建築物には環境基準が設けられており、以下がその表になります。
浮遊粉塵量 | 空気中1㎥につき0.15mg以下 |
一酸化炭素の含有量 | 10/1000000(10ppm)以下(0.001%) |
炭酸ガス | 1000/1000000(1000ppm)以下(0.1%) |
温度 | 1 17℃以上28℃以下
2 居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしないこと(7℃以下) |
相対湿度 | 40%以上70%以下 |
気流 | 0.5m/sec以下 |
各項の測定方法は、国土交通省により定められています。
室内環境汚染
以前使われていた塗料は、VOCの揮発量が高く、吸い込むことや、触れることによって人体への影響が懸念されていました。
しかし、現在では、使われる溶剤なども制限され、以下の物質の放散量が出さないもの、少ないものが使われています。
その揮発物質の一部が、下記の表になります。
鎖状炭化水素 | n-ヘキサン、n-プタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、3-メチルペンタン、3-メチルヘキサン、シクロヘキサン |
テルペン | リモネン(十)、α-ピネン、β-ピネン、α一テルピネン |
芳香族 炭化水素 |
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、o-メチルエチルペンゼン、1.2.4-トリメチルペンゼン、1,3.5-トリメチルペンゼン、1.2.3-トリメチルペンゼン、ナフタレン、スチレン |
塩素化 炭化水素 |
クロロホルム、シクロロメタン、1.1.1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ロージクロロベンゼン、トリクロロフルオロメタン |
アルコール | エタノール、プロバノール、n-プタノール、iSOブタノール、工 チルヘキサノール、ブドオキシヘキサノール |
エステル ・ケトン |
酢酸エチル、酢酸プチル、アセトン、メチルエチルケトン |
アルデヒド | アセトアルデヒド、アクロレイン、プタナール、ペンズアルデヒド、TVOC、ホルムアルデヒド |
上記の物質を放出しないためには、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロリピリホス、フタル酸ジ-n-ブチルの有機溶剤を低減する必要があります。
これらの有機溶剤を含まない自然塗料や水性塗料の利用が多くなってきています。
また、汚染物質を吸着するものや、分解する塗料が開発されています。
室内の塗装を行う場合には、自然塗料や水性塗料の採用がおすすめです。
最後に
シックハウス症候群は、原因の特定が難しくどのようにすれば解決するかは頭を悩ませる所です。
ただ、前述してきたように住宅にいると具合が悪くなるようなら、一時的にホテルに暮らしてみたり、実家に戻ったりすることで分かる場合があります。
一度、住宅の化学物質の濃度を測定してみることをおすすめします。
また中にはホルムアルデヒド対策に前向きに取り組んでいる業者さんもあるようで、専門ページまで作っています。
そういった業者さんに相談してみてはいかがでしょうか⁉
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